仙台テラピ・ド・ジュ研究会について

 仙台テラピ・ド・ジュ研究会は、2011年の東日本大震災後、被災地の子どものこころのケアを目的とした遊戯療法を用いた支援や保護者カウンセリングを継続して行うため、発足された任意団体です。メンバーは、長年震災支援に携わっていたり、東北地方で活動している臨床心理士です。

「テラピ・ド・ジュ」は、フランス語で「遊戯療法」を意味します。杜の都である宮城県仙台市を中心に、遊戯療法について実践と研究を重ねながら活動をしています。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東日本を中心に全国で甚大な被害をもたらしました。震災直後、被災地の児童館より「子どもたちの様子がおかしい」と相談を受け、日本遊戯療法学会は常任理事である臨床心理士(有志)とともに、2011年6月から2015年3月に至るまで、東日本大震災を経験した子どもたちのこころのケアを目的とした遊戯療法と、保護者への心理カウンセリングを継続的に行いました。

 そして2015年4月から、その支援活動を宮城県在住の臨床心理士が引き継ぎ、支援体制を整えながら、2016年4月に団体を発足しました。そして、現在まで子どもと保護者へのこころのケアを継続しています。

 活動の継続は様々な方のご協力やご支援があってこそでありますが、中でも日本遊戯療法学会常任理事である伊藤良子先生(京都大学名誉教授)は、活動へのアドバイスや毎年の関係者向け研修会の講師を務めていただくなど、継続の支えとなってくださっております。


 災害による喪失体験や恐怖体験は、人それぞれ異なります。そのため、実際の被害程度によって図られるものではなく、「その人が内的にどのような体験をしたか」によって、傷つきの深さや不安の高さは変化します。 東日本大震災から年月が経過した現在でも、傷つきや不安を抱えておられる方は少なくありません。また、近年多発する自然災害や新型感染症の流行により、震災のときの恐怖や不安を思い出し、心理的に不安定になられる方もいます。

私たちは、多くの子どもたちが困難な状況を乗り越えていけるよう、遊戯療法を用いたこころのケアを継続して参ります。